近づきたくて

shinshu2003-08-26

ツール・ド・信州と全日本実業団で手に入れた感動が、時間の経過によって薄らいでいくのが嫌で、少しでも自分の中にとどめておきたくて、昨日と今日は会社の帰りに東山を登った。信州の峠や九鬼ケ坂に比べれば、ほんの小さな丘みたいなものだけれど、いつも平地しか走っていない私にとっては大きな出来事。私の変化に近藤も驚きを隠せず、「どうしたん??すごい!!」と感嘆の声をあげてくれた(たいしたことないのだけれど・・・)。
今日は帰りぎわから雨が降り始め、おかげで登りは咽が渇かなくて良かったのだけれど、いかんせん久しぶりの濡れた路面。下りが怖くて怖くて、腕にビシビシと力を入れて神経をとがらせてゆっくり下った。こんな丘の下りで怖い思いをしていたら、信州のものすごい寒い雨の中の下りはどんなだっただろう。どんなに辛く、怖かったことだろう。今年の過酷なコンディションを乗り越えた選手たちは、あらためてすごいと思った。
私は、私のモノサシでしか、物事を感じられない。今までの私のモノサシは、華やかなレース会場での人々との交流をいちばん大切なものとしてとらえていた。無論、今なおそれは大切だけれど、それだけでなく、もっともっと「選手」に近づきたい。だれだれさん、という選手ではなく、ロードレースに挑む選手って、どんな気持ちで走っているのだろう、どうして峠を登るのだろう、そんな精神的な部分に近づきたいと思い始めている。
もちろん、今から必死で練習してレースに出て、なんて考えてはいない。けれど、ツール・ド・信州をこれから少しでも成長させていくためには、もっともっと峠に挑む者の心にせまりたい、と思っているのだ。誰かの言葉の受け売りではなく、自分自身が体と心を使って、実感したいのだ。
明日もこけないように下ろう!
ああ、それにしてもギアが足りない・・・